人間には、コンプレックスという感情が存在する。
普段においては、劣等感という意味で扱われやすいこの言葉であるが、心理学用語においては「複合された感情」や「情緒的な感情」と表現される。
これは、無意識が複雑に絡み合い様々な感情をつなげてしまう状態である。
簡単に言えば、「先走る感情」や「何よりも優先されてしまう感情」、「その人物特有の強いこだわり」である。
上記のように日本では劣等感の意味合いとして扱われやすいが、これは心理学者のアフルレッドアドラーが「劣等コンプレックス」(自己肯定を疑ってしまうこと)を中心に理論を展開させており、これが日本に入ってきたためである。
ドロシーは行動的な側面を持っているが、一方で物事を強引に推し進めてしまったり、若干人の心が読めていなかったりする節がある。
彼女は物事を客観的に考えることができず自分の正しいと思った道を進んでしまう傾向にある。
これこそが彼女のコンプレックスである。
彼女は何か問題が起こったらすぐさま解決するべき、善は急げという理念のもとに行動し、他人にもそれを押し付けてしまう傾向にある。そして、それが成し遂げられなかったとき、他人に対して攻撃的になったり、「女子力」が足りないとなぜが筋トレを始めてしまうのである。
心理学においては、「防衛機制」という概念がある。これは、自分の心が危機にさらされた際に自我を保とうとする心の防衛システムである。他人に対して怒るのもなぜか筋トレを始めてしまうのも根本的な自分の問題を否認し原因は別の場所にあると解釈するためである。
一方で、アルター・ドロシーは積極性はないものの、物事を俯瞰してみることが可能である。アルター・レーウと輩村人との一幕がそれを象徴しており、「物事には必ず原因があり、それをより良い方向にもっていく」ことが必要であると理解している。
が、その原因を深く考えようとせずに「女子力」や時の運といったものに原因を置いてしまうのはまさしくドロシー譲りである。
最新の20件を表示しています。 コメントページを参照